《キリストの受難》 Ernest Blancher作/リモージュ グリザイユ エマイユ 額装(19世紀後半 フランス)アンティーク

《キリストの受難》 Ernest Blancher作/リモージュ グリザイユ エマイユ 額装(19世紀後半 フランス)アンティーク

販売価格: 165,000(税込)

商品詳細

COMMENT/19世紀後半のフランス、リモージュの名工 Ernest Blancher(1855–1935) による、極めて精緻なグリザイユ技法のエマイユ作品(七宝画)です。
本作は新約聖書の受難物語の一場面、「キリストがローマ総督ピラトの前で裁きを受け、“この人を見よ(Ecce Homo)”と群衆に示される瞬間」を描いています。全体は限られたモノトーンの色彩で構成され、まるで古典石版画のような深みと荘厳さを湛えています。キリストの頭部にのみ施された金色の後光が、沈黙の中に神性を浮かび上がらせる秀逸なアクセントとなっています。
四葉型の独特な木製フレームが作品の宗教的・芸術的価値をさらに引き立て、飾る空間に静謐な存在感をもたらします。
右下には作家 E. BLANCHER のサインが確認でき、本作が彼自身の手によるものであることを示しています。Blancherはリモージュ出身の画家兼エマイユ職人で、1889年のパリ万国博覧会ではわずか17名にしか与えられなかった銅メダルを受賞するなど、その技術力と芸術性が高く評価された人物です。1895年以降はリモージュ市内「53, rue Pétiniaud-Beaupeyrat」に工房を構え、本作品裏面にはその住所を記した由緒書きが貼付されています。
額にはわずかなスレや小傷が見られますが、作品自体は非常に良好な保存状態を保っており、コレクターズアイテムとしても申し分のない逸品です。

製作年代:19世紀後半(circa 1880–1900)
技法:グリザイユエマイユ(七宝焼/grisaille enamel)
サイズ:縦約42cm × 横約42cm(額装込み)
サイン:E. BLANCHER
由緒書き:工房住所記載あり(裏面)

【作家紹介】Ernest Blancher(1855–1935)
エルネスト・ブランシェールは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した、フランス・リモージュの著名なエマイユ(七宝焼)職人・画家です。

■ 出身地と経歴
1855年、フランス・リモージュに生まれる。
少年時代からリモージュの伝統的なエマイユ技法に親しみ、やがてグリザイユ(grisaille)技法を用いた宗教画・歴史画に卓越した技量を発揮。
1889年の**パリ万国博覧会(Exposition Universelle)に作品を出品し、わずか17名にのみ授与された銅メダル(Médaille de Bronze)**の一人として高く評価される。