18世紀 聖腕(聖手)/ イタリア(ナポリ)木彫 宗教彫刻 残欠 等身大

18世紀 聖腕(聖手)/ イタリア(ナポリ)木彫 宗教彫刻 残欠 等身大

商品詳細

COMMENT/イタリア ナポリ 18世紀の木彫聖腕(聖手)

聖母像や聖人像の一部として作られたもので、教会祭礼や行列(パレード)に用いられていた宗教彫像の一部と考えられます。そうした像には絹の衣装が着せられ、信者たちに担がれて街を練り歩き、祝祭や祈りの中心を成していました。

この聖腕はほぼ等身大(全長約72cm)で、指先まで丁寧に彫られた造形構造から、当時の職人による信仰心に根ざした手仕事の跡が見てとれます。肘関節部は稼働を意識した構造となっており、ジョイントの回転軸に名残が見られます。これらは実際のポーズや衣装の着脱を意識した作りであり、単なる造形物以上の実用的な宗教道具としての役割を持っていました。

表面には長い年月の経過を物語るように、虫食い跡が散見されますが、それがかえって時間を超えてきた物語性を強調しており、修復が加えられていない点もオリジナルの空気感、時代感から評価できます。

こうした聖なる身体の断片は、教会や修道院の改修時に取り外されたり、損傷した像から取り残された部位として現代に伝わるもので、現地でも希少な類いのものとなります。素朴ながらも確かな宗教的背景と時代の雰囲気が魅力です。聖腕以外は撮影用参考品で出品物ではありません。

• 年代:1700年代後半
• 地域:イタリア ナポリ
• 素材:木製

SIZE/長約72cm