十字架型 聖遺物容器 十聖人 聖遺物 銀製 19世紀 ドイツ ロマネスク ゴシック様式 ルリケール
商品詳細
COMMENT/19世紀末(1880–1900年頃)にドイツ・ニュルンベルクで制作された、銀製十字架型聖遺物容器と聖遺物です。
聖職者携帯用の聖遺物十字架で、片面には中世の威厳を示すロマネスク様式の「栄光のキリスト」が配され、もう片面にはゴシック様式の磔刑像と聖母マリア、聖ヨハネが表現されています。両面が異なる中世様式で構成される点は、19世紀ドイツで盛んであった歴史主義の特徴をよく示しています。
また磔刑像のキリストを中心に、四隅に四福音記者の象徴(鷲=ヨハネ、ライオン=マルコ、牛=ルカ、人=マタイ)が浮き彫りで配され、衣文の細やかな起伏表現や、動きのあるポーズには19世紀のネオ・ゴシック様式の影響も認められます。
内部は赤い布地で裏打ちされたコンパートメントに分かれ、十聖人の聖遺物が収められています。
1. S. Wolfgangi Ep.(聖ヴォルフガング)
バイエルンの守護聖人
2. S. Irminae V.(聖イルミナ)
聖ベネディクト会女子修道院の院長
3. S. Huberti(聖ヒュベルト)
猟師の守護聖人/19世紀の巡礼・旅人護符に非常に多用
4. S. Petri IXB.(聖ペトロ)
ベルギー起源の聖ペトロ(地方聖遺物)と推定
5. S. Theresiae(聖テレジア)
聖テレサ・アヴィラ/カルメル会の大改革者
6. S. Blasii Ep.(聖ブレーズ)
19世紀のドイツで人気/のどの加護で聖遺物の需要が高かった
7. S. Elisab. Thur.(聖エリーザベト・テューリンゲン)
テューリンゲンの聖エリーザベト/19世紀ドイツで最も人気のある女性聖人のひとり
8. S. Donatus(聖ドナトゥス)
アレッツォの聖ドナトゥス/バイエルンや南ドイツで信仰された
•
9. S. Willibr.(聖ウィリブロード)
ゲルマン人への宣教者/ドイツ・低地地方で非常に重視/ゲルマン民族主義的潮流で再評価
10. SS. Trium Regum(三博士)
東方三博士の主要聖遺物はケルン大聖堂に安置されており、ドイツ圏では非常に高い神格性を持つ。
ケルン大聖堂が19世紀に完成、国民的聖遺物として分与あり。
バイエルンのカトリック文化圏に属する本作は、イタリア的な宗教美術の情感を吸収しながらも、ドイツ銀細工師特有の精緻な工芸性でまとめ上げられており、ロマネスクとゴシックという二つの中世様式が一つの十字架に凝縮されています。
また内部に十聖人の遺物を収めた、当時の修道院・司教区で行われた聖遺物分与の歴史も感じ取れる、資料的価値も高い一点と言えます。宗教・美術・信仰遺産の三領域にまたがる稀少な収集対象として、高い文化的価値を備えた19世紀末ドイツ宗教工芸の逸品になります。
• 年代:1880〜1900年頃
• 国:南ドイツ(ニュルンベルク)
• 素材:銀製
• サイズ:幅約6×6.5cm
聖職者携帯用の聖遺物十字架で、片面には中世の威厳を示すロマネスク様式の「栄光のキリスト」が配され、もう片面にはゴシック様式の磔刑像と聖母マリア、聖ヨハネが表現されています。両面が異なる中世様式で構成される点は、19世紀ドイツで盛んであった歴史主義の特徴をよく示しています。
また磔刑像のキリストを中心に、四隅に四福音記者の象徴(鷲=ヨハネ、ライオン=マルコ、牛=ルカ、人=マタイ)が浮き彫りで配され、衣文の細やかな起伏表現や、動きのあるポーズには19世紀のネオ・ゴシック様式の影響も認められます。
内部は赤い布地で裏打ちされたコンパートメントに分かれ、十聖人の聖遺物が収められています。
1. S. Wolfgangi Ep.(聖ヴォルフガング)
バイエルンの守護聖人
2. S. Irminae V.(聖イルミナ)
聖ベネディクト会女子修道院の院長
3. S. Huberti(聖ヒュベルト)
猟師の守護聖人/19世紀の巡礼・旅人護符に非常に多用
4. S. Petri IXB.(聖ペトロ)
ベルギー起源の聖ペトロ(地方聖遺物)と推定
5. S. Theresiae(聖テレジア)
聖テレサ・アヴィラ/カルメル会の大改革者
6. S. Blasii Ep.(聖ブレーズ)
19世紀のドイツで人気/のどの加護で聖遺物の需要が高かった
7. S. Elisab. Thur.(聖エリーザベト・テューリンゲン)
テューリンゲンの聖エリーザベト/19世紀ドイツで最も人気のある女性聖人のひとり
8. S. Donatus(聖ドナトゥス)
アレッツォの聖ドナトゥス/バイエルンや南ドイツで信仰された
•
9. S. Willibr.(聖ウィリブロード)
ゲルマン人への宣教者/ドイツ・低地地方で非常に重視/ゲルマン民族主義的潮流で再評価
10. SS. Trium Regum(三博士)
東方三博士の主要聖遺物はケルン大聖堂に安置されており、ドイツ圏では非常に高い神格性を持つ。
ケルン大聖堂が19世紀に完成、国民的聖遺物として分与あり。
バイエルンのカトリック文化圏に属する本作は、イタリア的な宗教美術の情感を吸収しながらも、ドイツ銀細工師特有の精緻な工芸性でまとめ上げられており、ロマネスクとゴシックという二つの中世様式が一つの十字架に凝縮されています。
また内部に十聖人の遺物を収めた、当時の修道院・司教区で行われた聖遺物分与の歴史も感じ取れる、資料的価値も高い一点と言えます。宗教・美術・信仰遺産の三領域にまたがる稀少な収集対象として、高い文化的価値を備えた19世紀末ドイツ宗教工芸の逸品になります。
• 年代:1880〜1900年頃
• 国:南ドイツ(ニュルンベルク)
• 素材:銀製
• サイズ:幅約6×6.5cm


