聖母 マリア 細密画 ミニアチュール フランス アンティーク

COMMENT/1920年代のフランスで制作された、聖母マリアを描いた細密手彩画（ミニアチュール）です。
円形の小さな画面に、王冠を戴いた聖母が穏やかな眼差しで書物を手にする姿が、驚くほど繊細な筆致で表現されています。

青と深紅の衣はそれぞれ信仰と神の愛を象徴し、周囲に輝く金彩の後光は、天上の光そのものを思わせます。王冠は天の元后としての栄光を表し、開かれた書は神の言葉への従順と知恵を象徴しています。

この聖母像は、受胎告知や聖母戴冠の主題に通じると同時に、知恵と理性を司る聖カタリナ・アレクサンドリアの図像とも共鳴しています。

木製の額装に真鍮枠が嵌め込まれた小品ながら、光を受けると金彩と宝石調の装飾が柔らかく輝き、個人礼拝の場や祈りの空間、または静かなインテリアに格調ある美を添えます。静謐さと優美さが融合した逸品になります。

•　年代：1920年代
•　国／地域：フランス
•　素材：木製フレーム入り
•　サイズ：高約12.5×幅約12.5cm